企友会です、インタビューさせてください Vol.1

Blue Tree Management Ltd.  President

岡本 裕明

Kiyukai Interview Yujiro Nakajima
BUSINESS DATA:1961年東京生まれ。青山学院大学卒業後、青木建設に入社。開発本部、秘書室などを経て1992年同社のバンクーバー大規模住宅開発事業に従事。現地法人社長を経て、2004年同社のバンクーバー不動産事業を買収、開発事業を完成させた。現在マリーナ事業、商業不動産事業、駐車場運営事業などの他、東京で住宅事業などを展開。「外から見る日本、見られる日本人」の人気ブロガーとしても広く知られる。

「カナダ人をずっと超えてやるって思ってた」人生最大の決断と挑戦。

えりな: 岡本さんの事業買収までの経緯は?
岡 本: 青木建設の社長会長秘書から駐在員として来て不動産開発事業が半ばを過ぎたころ、親会社の突然の倒産をヤフーニュースで嫁から聞かされたのです。その時この先、どうしようか、日本へ帰るか決めなければいけませんでした。僕の実家は洋服店をやっているのですけど、建設会社で不動産事業をやっている男が、実家の女性向け洋服屋には向かないでしょう?それに当時、ダウンタウンではカナダ、香港と我々日本のデベロッパーがそれぞれ競合している中、僕は日本を代表してバンクーバーで頑張っていると信じ、ニッポンが脱落しちゃいけないと思い、テイクオーバーしようと決めたのです。その時、青木の債権者に相談したら1ヶ月で買収するか決めろと言われました。その間に買収金額を交渉して自力資金調達し、バンクーバーで事業を引き続きすることになりました。

えりな: 何がその時一番辛かったですか?

岡 本: この買収話は僕だけの話で他の人に相談できなかったので、一人ですべてをやらなきゃいけなかったのが辛かったですね。嫁にも話せなかった。本当に辛かった!

えりな: 本当に行き詰まった時、岡本さんは何をしていますか?

岡 本: 寝る!ひたすら寝る

えりな: バンクーバーで頑張ると決めた理由は?

岡 本: 僕は駐在員として来たので、バンクーバーを自分で選んで来たわけじゃないのです。当時若かったし、下手くそな英語の日本人という小馬鹿にされた目線で、ビジネスルールも何もわからない若造がと思われていて、すごく悔しかったのですよね。だからカナダ人を負かしてやろうと、カナダ人を超えてやるってずっと思っていました。だからカナダに残るという決断をしたのです。

外から見る自分、見られる人・岡本裕明。

えりな: どんな方を仕事のパートナーとして選びますか?

岡 本: 信頼感(reliability) が大事で僕が仕事を見てなくても安心して任せられる人。
今いる仕事のパートナーはかなり有望です。

えりな: 岡本さんはどんな人だと思われていると思いますか?

岡 本: 武田鉄矢みたいな三枚目。

えりな: プライベートの面白い岡本さんとブログの真面目な岡本さん2面性がありますよね?

岡 本: 僕はもう一つ「3面性」があるかもしれないですよ。カナダ人と喧嘩するのですよね。ロジカルバトルするのです。僕はカナダ人を論破しようとします。僕は日本人として白人に負けたくないのです。

えりな: 周りには仕事の岡本さんは人を寄せ付けない偉大なイメージがありますが?

岡 本: 僕はアホアホな人間なので、あまりアホぶりを見せたらいけない、黙っていなさいと嫁に言われて、喋りたいけれど黙っています。だけど、そこにビールが入るとたくさん話しちゃう。笑

えりな: 奥様とはどこで出会ったんですか?長続きする秘訣は?

岡 本: 仕事の関係で会った際に知り合いました。付かず離れず。

えりな: 仕事を決断する時、奥様の反応は?

岡 本: 好きにすればと言われます。でも儲かったら半分頂戴ねと。笑

Kiyukai Interview Yujiro Nakajima

岡本さんの仕事の流儀。

えりな: 岡本さんの仕事に対する考えは?

岡 本: 関連付け。
例えば今、マリーナを運営していますが、船で来た人は陸上に足がないですよね?だから弊社のレンタカーはいりませんかって?ビジネスって関連づけていくと面白い。僕は不動産の人なのですが、不動産は生き物なのですよ。そして地域に根付いているもの。狭いエリアの中でもスペシャライズしていけばビジネスが生まれます。小さくてもいいから思い描いた仕事を生み続けたいですね。でも同じ仕事はしません。僕の趣味、悪い趣味でしょう。

えりな: 岡本さんはなぜ駐車場の事業をしようと思ったのですか?

岡 本: コンドミニアムの事業は必ず終わりがあるのです。完成してお客さんに引き渡した時点で終わり。また0から新しいプロジェクトを探さなきゃいけません。僕はコンドミニアムを作るにあたってできる分野とできない分野があります。僕は販売、マーケティング、ファイナンス、総務、法律は対応できます。だけど建物の設計とか施工管理は専門ではありません。建物のことがプロではないっていうのはこの業界においては不利だなって判断したのです。この仕事はここまでにしておこうと思って、業種転向を決めたのです。

一方、駐車場の事業は誰もやりたがらないだろうなって思いました。誰もやりたがらない仕事だったら旨味があるのです。みんながやりたがる仕事は競争が激しいですからね。僕の駐車場ビジネスの売りはお客様を3分以上待たせないこと。バンクーバーの中で当時お客様を待たせない駐車場として評価を頂けました。(注:現在は月極の駐車場のみの運営です。)

その先に見ているもの。「みんなが、生きてるよね楽しいよねって思えるようなコミュニティを作らなきゃいけないと思っている」

えりな: これからまた新たなことをされるのですか?

岡 本: トキワ荘再生プロジェクトに絡んで日本で商店街の再生。豊島区の高齢化社会の活性化をぜひとも。

Kiyukai Interviewer Mika Shimomura

昔の活気を取り戻したいですね。そこにマルシェ(=マーケット)を作りたい!グランビルアイランドみたいな。みんなが寄り集まれるところ、食べるところもあってそこに行けばみんなに会えるような場所を作りたいですね。そしてそこでクラフトビールなんかも出したい。みんなが、生きてるよね、楽しいよねって思えるようなコミュニティを作らなきゃいけないと思っています。バンクーバーで培った経験を生かして日本に恩返ししたいと思っています。

人間のボトムは何かなって思ったら話すことなのですよね。一人では絶対に生きていけないのですよ。自分と分かち合えるもの、分かち合える最も簡単な共通点と言ったら、同じところに住んでいることでしょう?

最近のコールハーバーのコンドミニアムは海外からの投資の物件が多いからコミュニティがありません。僕らの建てたコンドミニアムの住民が他のところと違うのは、住んでいる人がお互いを知っているということ。みんな知り合いでお友達。そして僕もお友達です。

Kiyukai Interviewer Mika Shimomura

えりな: 岡本さんは、どうしてそこまでコミュニティにこだわるんですか?

岡 本: それが僕の仕事だと思っています。人と人のつながりで次のことに繋がっていくって。僕は一人っ子なので、なんでも買ってもらえました。お金でモノは買えたけど、すごく孤独感があったのですよね。みんなで遊ぶとか自慢しあうとかそういうのに欠けていました。だからこそみんなで集まれるそんな時代になればいいなと。今はブログやFacebookなどで自由に自分を表現できます。でも僕は僕のことさらけ出すけど、君のことも教えてねって思いません?リアルコミュニティはのぞき見じゃダメで参加型なのです。

えりな: 最後にバンクーバーにいる日本人に一言お願いします。

岡 本: カナダ人と喧嘩しなさい!!!!

今回、岡本さんとインタビューさせていただいて、秘書時代にとても苦労されて下積み時代があり、最愛の奥様の激励があり、そしてカナダ人に負けるもんかという岡本さんの強い信念があったからこそ、今の岡本さんがあるんだと思いました。本当に話しやすくて笑顔が素敵な岡本さんの大ファンになってしまいました。
福世 えりな, Interviewer
2019-03-13T11:13:06-07:00